令和元年東日本台風から一年

2020年10月12日

令和元年台風19号は、後世に教訓として残すために気象庁は「令和元年東日本台風」と命名されました。12日で、台風が東日本に上陸して一年になりました。死者は災害関連死も含め111人、行方不明者3人(共同通信の集計)。

◆雨量500㍉は大水害の目安

10月の台風は日本付近に前線ができやすく、「雨台風」になる傾向があります。令和元年東日本台風では、前線と台風本体の発達した雨雲がかかった東北から東日本で記録的な大雨になり、総雨量が17地点で500㍉を超えました。

◆非常用電源や食料の保管場所は、建物の高いところに

つまり、「予想雨量が500㍉」となった場合は、今後も「大きな河川の氾濫」が起こるおそれがあることを示しています。また、堤防が決壊しなかった地域でも、写真の春日部市のように内水氾濫が起こる場合があります。大きな河川の水位が上昇しているため、そこに流れ込む中小河川の水が流れにくくなるか、あるいは、水門を閉じることによって、中小河川の氾濫が発生します。強固な堤防があったとしても、マンションや家の浸水被害が起こるため、電源設備や非常用食料などは建物の屋上か、できるだけ高いところに置く必要があります。

◆大河川は、雨がやんでも増水

大きな河川は大雨のピークを過ぎてから、遅れて水位の上昇のピークとなります。周囲の支流に降った雨が、本流まで流れ下るのに時間がかかるからです。この台風では雨がやんで自宅に戻って被災したケースもあります。大雨特別警報が警報に切り替わっても、避難指示が解除されるまでは避難を続ける必要があります。

これらの教訓を忘れないで、後世に伝えてゆきましょう。