水害に備える「水塚(みつか)」

2021年9月2日

私の住んでいる埼玉県東部は、かつてから大きな水害に遭っていた。

それを軽減しようと、江戸時代に利根川を銚子方面へ東遷した。

しかし、以降も昔の地形を辿るかのように、

あふれた水は古利根川(かつての利根川本流)周辺に集まり、

埼玉県東部から東京まで流れ下ったこともあった。

これが、昭和22年9月に起こったカスリーン台風による大水害。

 

今も埼玉県秩父や前橋の日雨量は、

カスリーン台風の時が歴代最多記録として残る。

よく令和元年東日本台風と比較されるが、

この台風もカスリーン台風時の秩父、前橋の日雨量記録には及ばない。

令和元年東日本台風の際には、利根川に氾濫危険情報が発表され、

利根川の側にある埼玉県加須市では夜中に車で大勢が避難をした。

このため、大渋滞が発生した。

 

この加須市の昔ながらの家には、写真「水塚(みつか)」という避難小屋がある。

これは、家の敷地内に盛り土をして、その上に2階建ての小屋を作った。

そこには、米、みそ、醤油などの食料を保存し、船を置いていた。

こうして、かつてはそれぞれの家で水害に備えていた。