電話の天気予報177廃止へ

2024年9月30日

 みなさんは電話の天気予報をご利用されてことはありますか。私が子供の頃は、一番身近にすぐ聞ける天気予報と言えば、電話番号の177でした。そして、大学を卒業後、1991年の当時は財団法人だった日本気象協会に入職し、最初に担当した仕事が電話の天気予報177の声の吹き込みでした。気象キャスターを目指す新人が、生まれて初めて不特定多数の聴取者に気象情報を伝える仕事でした。

当時を再現すると「ピンポンパンポン(音)、気象庁予報部、午後6時発表の東京地方の天気予報です。初めに注意報です。東京地方に乾燥注意報が出ています。予報です。今夜は北の風、曇りでしょう。あすは南の風、晴れる見込みです。」というように天気の原稿を読んで録音し、東京のみなさんに私の声が流れていました。注意報が発表されるごとに録音し直していました。私は花粉症なので、途中でくしゃみをしてしまい、再び最初から原稿を読み直したこともありました。

あれから時代は変わり、スマートフォンやインターネットの普及に伴い、電話の天気予報を利用する人が減少しました。NTTによれば、2025年3月31日をもって電話による天気予報の提供が終了となります。私の身長も177cmで「歩く天気予報」というフレーズも残念ながら使えなくなります。

 

気象防災アドバイザー・気象予報士

防災士 平井信行