3度目の挑戦で球磨川リバイバルトレイル100㎞完走
11月15~16日に故郷・熊本県の球磨川流域の山々で開催されたウルトラトレイルマラソン大会に出場し、100kmコースを完走しました。「球磨川リバイバルトレイル」といいます。この大会は、令和2年7月豪雨により球磨川で大水害が発生し、その復興を応援するために開催されているものです。私は、令和4年に第1回が開催されてから毎年出場していましたが、3度目の挑戦で漸く初完走することが出来ました。
令和2年7月豪雨では線状降水帯が発生し、球磨川流域に24時間で400㍉以上の記録的な大雨が降りました。日本三大急流の一つの球磨川が暴れ川となり、球磨川流域の広い範囲で水害が発生しました。私の生まれ育った球磨川は、昔から度々水害を引き起こしていました。私が気象予報士を目指すきっかけとなったのも、球磨川の水害を防ぐためでした。ですから、令和2年の球磨川水害よって私の生家が流されてしまった時には、気象予報士としても悔しい思いをしました。
その時から、球磨川の復興のために何か出来ることはないかと思うようになりました。そんな中、復興を祈念して球磨川でマラソン大会が開催されるということを知りました。それが、「球磨川リバイバルトレイル」だったのです。しかし、この大会のレベルが、当時の私の実績からすると、あまりにも高過ぎました。100㎞の山道を走るというハードな大会と聞いて驚きました。当時、これまで50㎞以上のマラソン大会を完走したことの無かった私でしたが、故郷のためにと奮起してチャレンジすることにしました。
まずは50㎞以上の平坦なコースを走る大会からトライし、徐々に距離を伸ばしてゆきました。そして、100㎞の平坦なコースのウルトラマラソン大会を完走した後は50㎞以上の山道を走るトレイル大会を次々と完走し、9月に自身最長のトレイル距離となる80㎞を完走しました。準備万端で臨んだ第3回球磨川リバイバルトレイルでは、27時間で完走することが出来ました。ふり返ると、第1回球磨川リバイバルトレイルでは膝の痛みのため約60㎞でリタイヤ、第2回は約70㎞の関門の制限時間に間に合わずタイムアウトでした。3年間という月日がかかりましたが、これまでの経験が実って念願が叶いました。
実は、「球磨川リバイバルトレイル」には160㎞のコースもあります。今後は160㎞コースに挑戦したいと思います。かなり厳しいのは分かっていますが、故郷・球磨川の復興の様子をこの目で見届けたいという思いが強いのです。球磨川を走っていると、未だに水害の爪痕がたくさん残り、復興するまでにはかなりの時間がかかるとみられます。走る気象予報士として、故郷の復興のために走り続けます。
2024年11月25日
気象防災アドバイザー(国土交通省委嘱)・気象予報士・防災士
平井信行