<極端に短い梅雨と早い猛暑の訪れ>

2022年7月28日

◆なぜ梅雨が短かった?

 九州から東北南部では、梅雨が極端に短くなりました。梅雨入りした時期は、多くの地域で6月中旬でした。梅雨入りが遅かった理由としては、日本列島の北にあるオホーツク海高気圧が強く、梅雨前線を沖縄付近に押し下げていたため、本州付近の梅雨入りが遅れました。九州から東海地方にかけては、梅雨入りが平年より7日から12日遅くなりました。

 一方、梅雨明けはかなり早くなりました。6月下旬になると九州から東北南部では、続々と梅雨明けの発表がありました。統計を取り始めて以来、最も早い梅雨明けの地域が多くなりました。これは、日本の南の海上の太平洋高気圧が真夏のように日本付近に張り出したためです。

◆6月下旬から記録的な猛暑!

 夏の太平洋高気圧に覆われた6月下旬は、記録的な猛暑となりました。群馬県伊勢崎市では、国内で初めて6月に40度を超え、最高気温が6月25日に40.2度となりました。伊勢崎市では6月29日にも再び40.0度を観測しました。6月に2度も40度以上を観測するのは、国内の観測開始以来初めてのことです。

記録的な猛暑になった理由は、主に三つあります。一つは、梅雨明けが早く、晴れたためです。6月下旬という夏至の頃の一年で一番日ざしが強い時期です。このため、晴れるだけで暑くなります。二つめは、夏の太平洋高気圧に覆われ、真夏の空気に覆われたためです。三つめは、伊勢崎市など局所的にフェーン現象が起こり、上空の真夏の空気がより暖まりながら吹き降りてきたためです。

  2022年7月1日 気象予報士・防災士 平井信行