基準改正後初、伊豆諸島の三宅島、御蔵島に大雨の特別警報
2020年10月19日
台風14号と前線の影響で伊豆諸島には発達した雨雲がかかり続け、これまでに経験したことがないような大雨が降ったとして、10月10日午後5時、気象庁は伊豆諸島南部の三宅村、御蔵島村に大雨の特別警報を発表しました。
◆局地的な大雨でも特別警報発表開始(令和2年7月30日~)
令和元年から伊豆諸島北部を対象に先行運用して、島などの「局地的な大雨でも特別警報を発表」するよう運用されていましたが、今回、三宅島と御蔵島には全体運用が始まってから初めて大雨の特別警報が発表されました。
◆大雨の特別警報基準改正の経緯
このような島などの局地的な大雨でも特別警報が発表されるようになった経緯は、2013年10月16日未明から伊豆諸島北部の伊豆大島で1時間に100㍉を超える猛烈な雨が数時間続き、24時間雨量が800ミリを超え、甚大な土砂災害が発生したためです(台風26号と前線による大雨)。この時には既に特別警報の運用が始まっていましたが、局地的な大雨に対しては発表できない基準となっていました。当時はなぜ大雨の特別警報が出せなかったのかという議論があり、今回のような基準の改正につながったというわけです。
◆5キロメッシュから1キロメッシュの土砂災害危険度に基準変更
大雨の際、1キロメッシュの土砂災害危険度が濃い紫色になった格子が3時間で10個以上になったら、大雨の特別警報(土砂災害)が発表されるようになりました。これまでは、5キロメッシュの格子が10個以上という基準だったので、島などの狭いエリア単独では大雨の特別警報が発表できませんでした。